江東区大島のそばの名店【銀杏(ぎんなん)】
山手線の東側エリアには飲みには行くのですが、お蕎麦屋さんを目指して来たのは初めてです。都営新宿線西大島駅から歩いて5分ほどなのですが、ほぼ住宅地の中に位置するこちら「銀杏」は、コンクリートの打ちっぱなしのおしゃれな構えの創作そばと料理が評判のお店。休みの日には行列ができる女性に人気のお店です。
実はこちらのお店、創業は昭和33年という老舗のそば店なのですが、平成16年に代替わりをして、現在の手打ちそばの店になったとのことです。こちらご夫婦でそば打ちをご主人が、料理を女将さんが腕を振るうのですが、どちらもとても素晴らしいものです。
今回はこちらで「そば屋飲み」。まずは生ビールで乾杯を、と頼むと美しいきめ細かな泡のビールの登場で、思わずパチリ。注ぐ技術もさることながら、丁寧にサーバーを管理しているお店ならではのビジュアルです。
同時にお通しが到着。チーズ豆腐の上にエビ、ブロッコリー、しめじ。だしのジュレがかかり、香ばしいそば米が散らしてあります。これまた美しい。チーズ豆腐は滑らかな舌触りであとからチーズの風味が感じられます。
さてつまみですが、どれも美味そうで迷うところですが、まずは季節の「茄子の揚浸し香味仕立て」を注文。たっぷりの鰹節と薬味と合わせていただきますが、とてもやさしい味わいです。
そしてそば屋飲みでは絶対に外せない「玉子焼き」。なんといっても魅力はお店の命ともいえるかえしを使っており、ほんのり甘め。美味しいそば屋の玉子焼はおいしいに決まっているのです。
続いてはキノコと野菜の「天ぷら盛合せ」。舞茸、しめじ、シイタケなどのキノコと、パプリカやカボチャなどの赤や黄色、ミョウガ、茄子、などの紫、伏見とうがらしやいんげんの緑など、衣の上からも食材の色のアレンジを感じる美しさ。あらかじめ降り塩された揚げたての天ぷら、素材の甘みと旨味をまるごといただきます。
天ぷらの奥の「鴨焼き」は予想を超えたスタイルで提供されます。何とも綺麗で、かつ美味しそう。一見すると何の料理かわかりませんが、鴨肉の上に、これでもかと白ネギ、小ねぎをたっぷりと背負って登場します。いい塩梅に味付けされ脂をまとったネギたっぷりの鴨肉は柔らかく、絶品です。
さてこちらには多くの種類のお蕎麦があるのですが、「銀涼(ぎんりょう)そば」という人気の冷たいそばがあります。もともと夏の限定メニューだったそうですが、お客さんおリクエストで現在は通年提供されているそうです。小ねぎ、ミョウガ、白ネギ、鰹節のたっぷりの薬味と、揚げ餅の食感も楽しめます。なんとなくビールが欲しくなり、もう一杯、いただくことにしました。
そばつゆは関東風の濃いそばつゆではなく、白醤油を使った琥珀色のつゆでいただきます。
そば屋飲みの〆はこちらの看板ともいえる季節の変わりそば。季節ごとに種物やつゆの個性的な創作そばもありますが、やはりそば切りに様々な素材を練り込んだメニューが魅力です。桜色の桜切り、薄緑のよもぎ切り、黄色のゆず切りなどのほか、青ゆず、レモン、大葉、紫蘇などがあるようです。この時期は更科そばに芥子(けし)の実を練り込んだ芥子切りです。
独特の香りはほのかですが、個性的。濃い目のそばつゆと合わせていただきます。
蕎麦湯はかなり濃厚で贅沢。ちょっと幸せを感じます。
女性のお客様の割合が高めですが、年配のそば好きから若いカップルまで、かなり幅広く来られるようです。わかりにくい場所にありながら、多くの人に愛されているお店ですが、万人受けするより3割バッターを目指したいとのこと。個性的なメニューでありながら、3割どころではない支持を受ける数々のそばと料理は、とても一回では食べきれません。是非また訪れたいお店です。
手打ち蕎麦 銀杏 (ぎんなん)
東京都江東区大島2-15-3
03-3681-9962
月・火定休
水〜金:11:30~14:00、18:00~21:00
土日祝:11:30~14:30、18:00~21:00
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